挑戦者稲葉八段が☖7四歩として7五銀を8六に追い返し、☖6二玉とした局面です。

☗5六角の利きに疑問を投げかけていた立会人の深浦九段は次のように感心していますが、含み立会人の阿久津八段は優劣不明、どちらにも悲観的な要素があると言います。

「読みの入った順ですよね。交換になった桂はいずれも守りの桂と見ることもでき、どちらの価値が高いのか分かりません。打った角が働かずに終わる展開を恐れましたが、この局面まで進むと☗5六角の一手も生きているように思います」(深浦九段)



「どちらも持ちたくないですね。先手は並んでいる角銀がそのまま残るとひどいですし、後手は右玉が薄く、その周辺で戦いが始まると流れ弾に当たりやすいです。指しているほうは大変だと思います」(阿久津八段)


感想戦で佐藤名人は、☖6二玉で先手は模様が取りづらい局面だったと言います。


【 48手目  ☖6二玉まで 】再掲



48手目以下の指し手
☗4五角 (49手目)

感想戦では3択ありました。佐藤名人は、消去法で採った☗4五角は悪かったと言いました。

(1)☗4五角
(2)☗6五角
(3)☗7七銀

(1)☗4五角の狙いは、次に☗6四桂☖5一金☗6三角☖同玉☗7二銀で王手飛車とりですが、こうはなりません。☗4五角以下、☖4四歩☗1八角☖4五歩☗同角☖4一飛(A1図)。先手はまとめづらいと見える(阿久津八段)。

(2)☗6五角以下は、☖4四桂☗7五歩☖8六歩☗7七銀☖7五歩(A2図)。角が助かりそうにないのでやれない(感想戦より佐藤名人)。

(3)☗7七銀以下は、☖4四銀☗3六桂☖5五銀!☗同銀☖5七桂☗5八玉☖4九桂成☗同玉☖7三角(A3図)。後手が指せる(感想戦より)。


【 参考A1図  ☖4一飛まで 】



【 参考A2図  ☖7五歩まで 】



【 参考A3図  ☖7三角まで 】



【 49手目  ☗4五角まで 】



49手目以下の指し手
☖4四歩     ☗2七角
☖4五歩     ☗同   角
☖4四銀     ☗1八角
☖4五歩     ☗5六桂
☖4三金     ☗4四桂
☖同   金     ☗5七銀(61手目)

☖4四銀では☖4一飛が予想されていました(前述A1図)。56手目☖4五歩には☗同銀、☗同角いずれも5七に隙が生じて☖5七桂が来ますので、切り返しが必要で☗5六桂としました。ついで☖4三金の加勢もあると(深浦九段)。

☗4四桂☖同金と清算して☗5七銀。
銀桂交換の戦果と後手の歩切れが先手の主張だそうです。


【 61手目  ☗5七銀まで 】





【 参照 】
日本将棋連盟ライブ
Abema TV
朝日新聞デジタル


初稿 V01 2017/05/06
更新 V00 0000/00/00